桜が見頃を迎えた令和7年4月17日、黒川温泉観光旅館協同組合の合同入社式が行われました。
この春に学校を卒業したばかりの人がほとんどですが、それだけではなく、派遣やアルバイトで働くうちに旅館を気に入ってそのまま入社しました!という方も数名参加。年齢も国籍も多様な合計19名の新入社員を迎え、代表理事からの式辞からはじまりました。
この式に参加したみなさんに、黒川温泉の仲間入りを歓迎する入社証書が手渡されていきます。
その後、一人一人が自己紹介と抱負を宣言。
「母国でホテルをつくりたい」「自分の接客を通して黒川を好きになってもらいたい」といった、同期となる仲間たちの意気込みやユーモアあふれる自己紹介に笑みがこぼれて、段々と表情がほぐれていきます。
参列した経営者や旅館の先輩スタッフからも、たくさんのお祝いの言葉が贈られます。
このあと参加者同士でグループに分かれ、他己紹介も行われました。
同期となる仲間たちの人となりを少しずつ知りながら、場があたたまってきたところで集合写真の撮影です。
この日の撮影を担当したのは事務局長の北山さん。黒川温泉Instagramに写真掲載されている敏腕カメラマンなのですが、何故か連発される「はいチーズ!」(笑)。
ぎこちない呼びかけに終始緊張ぎみだったみなさんの頬も緩み、最高の笑顔を引き出してくれました。
続いて、北山さんから黒川温泉の歴史について説明を受けます。また、研修部長を務めるふもと旅館の漣さんからは、新入社員へ向けた虎の巻を伝授していただきました。
温泉をはじめとする自然の恵みが黒川温泉にどう循環しているのか。まだまだ、知らないことだらけ。
地域にどんな人々が関わり、黒川温泉は今後どう変化していくのか。それぞれの将来像とも重ねながら、真剣な面持ちで話を聴いている姿が印象的でした。
午前中は座学を中心に進められ、その後みんなで一緒にお昼ごはんをいただきます。
黒川温泉ではおなじみのEAT LABO BRさんから、オリジナルあか牛丼が振舞われました。(とっても美味しかった…!)
午後から4班に分かれ、各グループお小遣いとミッションを片手に、自分で選んだ浴衣で温泉街を散策します。
お気に入りの店へチームを先導する人がや、立ち寄った商店の方に「〇〇旅館の子だね」と名前を覚えてもらって照れている人など、始まったばかりの黒川温泉での暮らしに、それぞれの楽しみや喜びが生まれているようでした。
黒川温泉には「地域同期」という考え方があります。同じ時期に入社したスタッフたちに横の繋がりを持ってもらいたいという想いから、同じ年度に入社したスタッフを旅館の枠組みを超えた同期とみなして、2020年度からこのような合同入社式を行っています。そのほかにも、年間を通して働き手の知見を深める様々な研修を実施しています。
わずか6km圏内に30軒の温泉宿が集う温泉地。この日の座学で何度も耳にした「黒川温泉一旅館」という地域理念は、地域全体で人を育て、助け合い、そして磨き合うための合言葉でもあります。働く人々だけでなく、この地を訪れてくださるお客様にも、わたしたちの心意気が伝わるような場所であり続けたいと願う1日になりました。
おっと。ここまで記事を書いてきましたが、わたしの自己紹介を簡単に。
2025年4月より、黒川温泉のある南小国町へ、地域おこし協力隊として着任した白水ゆみこ(シラミズユミコ)です。
2017年~3年間をここ黒川温泉で過ごし、仲居として宿業に携わってきました。2021年~島根県の沖合60㎞に浮かぶ隠岐諸島・海士町で暮らし、Entôというジオパークの泊まれる拠点施設でマネージャー業務の傍ら、コラム執筆も担当させていただきました。
今回ご縁あって、再びこの地域へ戻ってきたばかりです。離島での暮らしやここまでの経緯は、話しはじめると長く濃いのでまたいつか。黒川温泉のシンボルである入湯手形を製作しながら、手形に関わる広報を中心に、黒川温泉の様々な出来事を皆さんへお届けしていきます。お楽しみに!
最後は浴衣姿で撮影!自然と連絡先を交換するまでに活発な交流がうまれていました。
晴れの日を迎えた19名の新しい仲間たちを、これからどうぞよろしくお願いします♨
ライティング:白水ゆみこ