デュッセル



(黒川温泉から車で約20分)

熊本県と大分県の県境にある小国町の外れにぽつんと佇むヨーロッパ風の建物があります。

自然豊かな景観に映えるこのお店はハム・ソーセージの専門店「デュッセル」。小国町出身のご夫婦二人で営んでおり、開業して今年で9年目を迎えました。





小国町で酪農家の息子として生まれたオーナーの杉本和喜さん。「家業の酪農を手伝うなかで、子供ながらにこれからの時代は一次産業だけではやっていけない、なにか特別な技術や方法が必要になるかもしれない…漠然とですがそのような思いをもっていました」

そんななか中学生の時に、たまたま父親と見ていたテレビでドイツの養豚農家のドキュメンタリーが流れていました。「その番組では、自分で育てた豚を自分で加工して自分で販売をして暮らしているドイツ農家の生活を紹介していました」

杉本さんはこの番組に衝撃を受けます。「これだ!僕はドイツに修行にいこう」杉山さんはすぐにそう思ったそうです。

地元の小国高校を卒業と同時に単身ドイツへ渡り、長い修行の末にマイスターの称号を手にしました。マイスターとは、ドイツが定めた手工業分野47の業種に、各業種のプロフェッショナルの中でも師匠のような立場を目指すための資格です。







杉本さんがマイスターの称号を手にするまでにおよそ10年という年月がかかっています。地元の小国町で「デュッセル」を開店したのは35歳のときです。


「どうして小国町でやるの?福岡や熊本市内でお店だせばたくさんお客様が来るのにって最初はよく言われたんです。でもやっぱり、今まで一番お世話になった土地や人に対して私が少しでも貢献できるならうれしいじゃないですか。それと、酪農など農業の仕事ってお客様との接点がほとんどないんです。直接会ってゆっくり会話ができるようなお店にしたかった。だったら地元が一番だなと思いました」と杉本さんは言います。

お客様はおよそ半分近くがリピーターと言います。地元の友人や常連客、阿蘇に来たら必ず立ち寄ってくれる方、数年に一度来てくれる方など様々です。







デュッセルで扱う豚肉やしいたけ、にんにくなど調味料以外の食材は全て阿蘇産、特に地元の小国町のものを使用しています。







そしてデュッセルでは、極力添加物を使いません。

「それにはご要望があるからで、絶対にこだわっているというわけではありません。ただし、無添加商品を作るのも、当然作れる技術があってこそです。例えばどう加工すれば日持ちをするのか、熱を加えると三日もつ、スモークすると一週間もつ。お肉そのものの味が美味しいならばアミノ酸を加えないなど、技術があるからこそ可能なことなんです」


杉本さんにはゆるやかですがビジョンがあります。「僕ももう45歳になります。そうだな、60歳までには自家製や地元産だけを集めたセレクトショップがやりたいなと思っています」

杉本さんは2016年の熊本地震を機に、新たな取り組みとして実家の牛乳を使ったチーズ作りを始めています(* 現在は試作段階です)。


マイスターになるためにどんなに大変だったであろうということを微塵も感じさせない気取らなさが魅力の杉本さん。一つ一つ丁寧に日々を重ねるだけですと言う常に謙虚なその態度にこそ信頼できる本物のプロフェッショナルである証を感じます。







現在デュッセルは通信販売をしておりません。黒川温泉に来た際には、少し足を伸ばしてお買い物にいかれてみてください。おすすめです。








デュッセル
所在地/〒869-2504 熊本県阿蘇郡小国町西里3316-5
電話/0967-46-4186
定休日/火曜日
営業時間/10:00 - 17:00
紹介サイト/デュッセル(食べログ)


 
by hajime