酒の宿



(黒川温泉街のお店)

黒川温泉街の坂の途中にある酒屋さん。
なんとも不思議なかたちをした外観ですが、ここはもともと蔵として使われていた建物を改装しています。



天井が低くて出入り口も狭い。出る際に頭をぶつけてしまうお客様が後を立たないそうで、スタッフが最後にかける言葉は決まって「あたま気をつけてくださね」なんですって。




入ってみると床土の湿度を感じられ、夏でもひんやりとした空気感が漂っています。




黒川温泉街にあるこのお店には本店があり、本店は阿蘇市内で酒屋を営む「有限会社 阿蘇・岡本」さんです。社長の岡本さんは、阿蘇という地域に育てていただいたから今があるという考えのもとで、阿蘇が活きる可能性に挑戦し続けています。

その岡本さんは「酒の宿」に2つのこだわりをもたせました。

一つは「阿蘇・岡本」オリジナル商品の開発と販売。岡本さんの理念が表すように、お酒はすべて阿蘇で生産された米や麦、阿蘇の清らかな水を素材にしています。なかでも一番人気で、みなさんにおすすめしているのは米焼酎の「一所懸命」。お店では試飲もできます。




岡本さんは2016年の熊本地震の際にも、いち早く阿蘇神社復興プロジェクトを立ち上げて「蛍丸サイダー」を開発しました。売り上げの一部を寄付とし、寄付金額1億円を目指して活動を続けています。



もう一つのこだわりは仕入れにあります。岡本さんが各メーカーから仕入れるもののほとんどは、他のお店にはなかなか置いていない限定品です。「赤兎馬」の梅酒やゆず酒。ここなら「魔王」も格安で手に入ります。



それを知っている一部のお酒好きは九州全域からやってきます。わざわざやってきます。ツウなお酒好きには密かに人気のお店なんです。

最近は外国のお客様も増えたようで、アジアの方が日本のお酒、日本酒や焼酎を好んで買っていかれます。ヨーロッパの方は買い物よりも散策を楽しんでいるようであまり買うことはないようです。

店内にはすてきな言葉と新聞記事が飾られていました。新聞には、天草にあるお寺「曹洞宗大悲山 向陽寺」の住職 渡辺紀生さんのエピソードが綴られています。住職は南こうせつさんと音楽をされていたこともあり、ギター片手に説法をするというなんともユニークな生き方をされています。




また住職は「なるほど説法」という自分流の言葉をつづり続けていました。岡本さんはその言葉にとっても感動し、天草まで会いにいって口説き、その説法をお酒のラベルに貼っちゃったという商品(説法焼酎)まで開発してしまいました。なんだか飲みながら姿勢を正してしまいそうだ…
悪酔いしないで済みそうです。




「酒の宿」にきれいに陳列されているものは、お酒ではなく岡本さんのこだわりの愛なのかもしれません。お酒をたしなむ方にはぜひお立ち寄りいただきたいお店です。

ちょうど旅の女性お二人がお酒を買いにいらしていました。これから宿に帰って飲むとのこと。
そうかここは温泉街。そんな旅の楽しみ方もありですね。





酒の宿
住所/〒869-2402  熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川6696-1
電話/0967-44-0488
営業時間/9:00-18:00
休日/不定休
紹介サイト/酒の宿




 
by hajime